国連JPO後の生き残り2 | JPO応募前にやるべきこと

      2020/01/11

前回のおさらい

前回のポストでは、国連機関のコア予算が10年で40%減ったこと(UNDPの場合)、それにともない、JPO派遣後に同じ組織に残ることが年々難しくなっており、JPOと派遣される機関を慎重に選ぶこと、そしてJPOとしてこの新しいノームに適応することの重要さについて書きました。

今回は、そういう状況の中で、どういう戦略を立てればいいのかについて書いていこうと思います。まずはJPO応募前にやるべきことです。

JPO応募前にやること

派遣希望先機関のリサーチを徹底的にやる

「徹底的に」という部分が重要です。通常、派遣先選びは自分の専門性が活かせることが大前提ですが、その上でどの機関への派遣を希望するべきか迷う人も多いと思います。日本政府(外務省)がJPOの派遣取決めを結んでいる機関は、以下のとおり多種多様です。

出典:国際機関人事センター

自分がやりたい分野の仕事は国連内ではどのような部局、専門機関、関係機関で行われているかをしっかりと調べましょう。そして、それ以外の部分、特に予算規模の推移(特にコア予算の増減)、採用傾向、今後の見通しなどまで徹底的に調べ上げ、少しでもJPO後の生き残りが高そうな機関への派遣を希望しましょう。

例えば自分が応募したときは、気候変動に関連する仕事をしたかったので、まずその観点からUNDPとUNEPに絞りました。その後、世界中に国事務所があり、大きな機関だからチャンスも多いだろうと思って安易にUNDPを選んだわけですが、今その時の自分にアドバイスできるとしたら、気候変動をやっている国連機関はUNDPとUNEP以外にもたくさんあるので、そういった可能性をもっと精査すべきだよ、と伝えると思います。また、前回のポストに書いたように、UNDP内で組織の改編やリストラが起こっている事までは調べきれていませんでした。UNDPに入ってから本部でのポスト削減や新規ポスト雇用の凍結などの事実を知り愕然としたので、派遣希望先を決める段階でできる限りのリサーチをしておきましょう

内部からの情報を得る

上と関連しますが、現在その組織で働いている人に連絡を取って話を聞くといいと思います。 JPOとして派遣された人が(日本人に限らずどこのJPOでも)その機関に残ることが通常あるかどうかも併せて聞いちゃいましょう。中には、JPOがその組織に残ることは基本的にない、という機関もあるそうなので、JPO後の生き残りを考えている人はこういうところは避けましょう。またリストラなどが現在行われているかについては内部の人が一番よくわかっているので、可能であればそういうことも聞くといいと思います。実際に内部にいる人間から聞く情報が一番有用なので。

コネクションの見つけ方ですが、最近はLinkedInなどを使えば簡単に大学や大学院の同窓生で自分が興味のある機関で働いている人を見つけることができますし、 他には、UNDPのJPO Service Centerが、JPO卒業生の名簿を毎年作っていて、JPOとして派遣されていた機関、そしてその後の進路(現在の職業)をまとめたものがオンラインにありますので、ここからTwitterやLinkedInでネットワーキングするという手もあります。なおこの名簿はこれはUNDPだけでなく、他の機関でJPOやった人も網羅しています。JPOになると、JPO Mentoring Programmeというのがあって、現役JPOと繋がりやすくなりますが、正直入ってからこういう情報を得ても若干遅いので、派遣希望先機関を決める段階で内部からの情報を得ていたほうが良いと思います。

派遣希望先機関の空席広告をチェックする

空席公告に目を通すことで、機関内のどの部署でどんなポストの空席が出ているかをチェックできます。主な採用が本部なのか、地域事務所なのか、または国事務所でもインターナショナル・スタッフの空席が出ているか、それともローカル・スタッフがメインとなっているかなどを調べます。最近はP3のポストはめっきり少なくなりました。なお、この国連機関におけるミドルキャリアポストの激減は、国連システムでキャリアを積もうと考えている人にとっては頭の痛い問題となっています。空席公告はいろいろなウェブサイトがまとめていますが、個人的にお勧めは、最近まで国連でICTの仕事をされていた亀山翔太さんが作ったUN Job Siteや、UN Job Listなどで、ポストレベル、Duty Station、キーワードなどをもとに検索がかけられて便利です。あと国際機関人事センターも毎週空席の情報を出しています。

セクター全体の現状を把握する

自分が興味あるセクターの現状を把握することも重要です。国際協力の世界は、どうしてもパイ(資金)が限られており、違うセクターで同一のパイを奪い合うことが多いです。例えば私がUNDPにいた頃は、ちょうどシリアなどの中東・北部アフリカ地域からヨーロッパを目指す人が増えて、トルコ、ギリシャ、ヨルダンなどの国の難民が激増した時期でした。各国政府は通常ODAに充てる予算を難民への援助へ回したりしたことで、一部のドナー政府が約束していた支援がなくなる、ということがたくさんありました。この時期に、Humanitarian Development Nexusというのはちょっとした流行語みたいになってました。各国政府の外交政策、特にODAの優先事項などにざっと目を通しておくとこの業界の傾向が把握できて良いと思います。

結論:情報は命

孫子の兵法曰く、「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」、です。とにかく情報を沢山集め、また自分のことも研究し直して、どのような機関で働くことが、JPO後に残れる可能性を高めるかをしっかり見極めましょう。次回は実際にJPOとして派遣された後にどのようなことをやっていくかを書きます。

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