英国大学院入学までの道のり2

   

少々間があいてしまいました。この二週間で、仕事で良い意味での悩み事、そして引越しがあり、さらにその直後に大学院の最初の課題提出期限があり、てんやわんやでした。まだ家は片付いていませんが、ちょっとゆっくりやっていこうと思います。
今回は大学院の話の続きになります。前回はなぜ大学院でまた勉強しようと思ったかについて書きました。


今日はなぜ英国のサセックス大学にしたかを簡単に記しておこうと思います。

オンラインか対面か

大学院で勉強しようと思ってリサーチを始めたとき、まずはオンラインか対面かということを考えました。フルタイムで仕事は続けていくので、対面となると夜に授業をやっており、さらに韓国内で英語でプログラムをオファーしている大学となる訳ですが、ちょっと調べてみるとやはり該当する大学はあまりなさそうなので、オンラインでやることに決め、この選択は結構すんなりといきました。

プログラム選び

次にプログラム選びですが、まず自分がすでに持っている修士号がMaster of Artsだったので、今回はMaster of Scienceにしようと思い、Online MSc degreesとかでググってみたところ、masterstudies.comという世界各地のいろんな修士プログラムを網羅したまとめサイトみたいなのにたどり着き、そこで見てみると英国の大学でオンラインプログラムが盛んであることがわかりました。他にもフランスやドイツ、そしてアメリカも出てきましたが、アメリカは学費が高すぎてすぐ却下となりました笑。ちなみにいくらぐらい違うかと言うと、こんな感じ↓

留学してコネを作りたいというのであればアメリカの高い学費も長期的に見ればペイオフする可能性はありますが、オンラインでそこまで強いコネができるとも限らないし、何よりも500万円以上の差はあまりに大きすぎます。それに比べると英国オンライン留学のコスパの良さよ…


ということで英国まで決まりました。あとはどこの大学にするかですが、自分はこれまで開発の世界に身をおいてきたので、この業界で有名なのはSussex、SOAS、East Angliaあたりで、調べてみるとSussexとSOASが同じようなプログラムをやっていることがわかりました。どちらも魅力的でしたが、最終的にやはり開発業界で一番有名なところで勉強することが、将来的に何かしら役に立つのではないかと考え、Sussexに決めました。とはいえ、自分が入ったコースは、Science Policy Research Unit (SPRU) という学科で、開発学が有名なInstitute of Development Studies (IDS) ではないんですけどね笑。なぜSussexが良いかはちょっと調べてみるとすでに書き尽くされた感があるので、ここでは割愛します。


あともう一点イギリスのプログラムで良いなと思ったのが、非常にフレキシブルな点。まず開始時期が1月、3月、5月、7月、9月、10月と豊富にあることに加え、1モジュールが7週間で、基本的にそのモジュールの期間は1教科のみ。また仕事が忙しい時期は休学もこまめにできるというもいいなと思いました。毎モジュール休みなく取れば2年で修士が取れ、最長4年まで在籍可能。なるべく休学しないで終わらせたいところですが、万が一のときにこういうオプションがあるのは安心です。

出願

ということで、まずは連絡してみるとかという軽い気持ちでウェブサイトにあるフォームを埋めてみると、担当者から早速電話がかかってきまして、質問あったら何でも気軽に聞いてね!という感じで連絡がありました。このフットワークの軽さと、フォローアップのマメさには感心しました。必要な書類もすべてスキャンしたコピーでよく、自分が卒業した大学や大学院から新たに成績証明書などを取り寄せる必要もありませんでした。英語圏の大学や大学院を出ていれば英語の要件も満たしており、さらに推薦状も必要ないということで、実質英文履歴書とPersonal Statementを準備すればOKという感じで、トントン拍子で進み、2021年12月6日に出願し、2日後にはオファーが出ました。

サポート体制及びモジュール

入学が決まると、早速Student Success Teamという部署の人から連絡があり、1月から始まるモジュールに向けて色々説明がありました。このチームは、アカデミックなこと以外のプログラムに関するサポートをしてくれる人たちです。実際のモジュールが始まるとTeaching Assistantのような人たちもいて、勉強の質問はこちらにするというシステムになっているようです。


また実際のモジュール(授業)に関してですが、週の中頃(たいてい水曜か木曜)にLive sessionがあり、その日に向けてリーディングの課題をこなし、理解を深めていくという感じです。Live sessionは録画されるので、万が一その時間に出席できなくてもあとから見ることが可能です。今モジュールはUnderstanding the policy making processという授業で、成績は3週目の終わりが提出期限のグループでのプレゼンが30%、最後に提出するエッセイ(2000文字)が70%で決まります。授業中の発言やDiscussion boardへの投稿などは成績に加味されませんし、要はこの2つの課題だけやれば良い成績も取れるわけですが、週1のLive sessionだけ聞いているだけでは恐らく課題をちゃんとこなせないので、自分でリーディングをやって勉強を進めることがかなり重要になってきます。オンラインのコースの上、自主性に重きが置かれているので、とりあえず課題そこそこやって授業出てれば何とかなるわけでもなく、そういう意味では難易度の高いプログラムとも言えるかもしれません。

デザイン思考(続き)

前回の投稿にも書きましたが、「Designing your new work life」という本の中で、著者は徐々に変化を加えていく、プロトタイピングという概念をお勧めしています。例えば転職を考えるときも、いきなり全く違う会社へ行くのではンク、まずは自分が現在働いている組織の中で違うポジションに就くことができないかを考えたり、大学院に行くにしても、仕事を辞めて飛び込むよりかは、パートタイムでできるプログラムを探してみる、などがプロトタイピングにあたります。日本の企業だと、社内FA的なシステムがない限り人事の辞令以外で別の部署に異動というのは少ないのかもしれませんが、自分が既に慣れた環境をリバレッジして新しいことに挑戦するというのは良いアプローチだと思います。自分もあまり意識していませんでしたが、自然とプロトタイピング的に今回このサセックス大学でのプログラムを始めたなと、これを書きながら感じました。

まとめ

コロナ禍もあり、オンラインでの学習環境は驚くほど整ってきていると感じます。100%オンラインで完結するプログラムも多く、もちろん入学後に様々な状況の中でコースについていけるかは別の話ですが、環境的には働きながら海外の大学院で修士号を取るのはそこまで難しくなくなっているのではないでしょうか。サポート体制も結構整っており、気合とコミットメントがあれば休みなくモジュールを取り続けて、2年で修士号を取るのも不可能ではないと思います。他にもオンラインでのプログラムをオファーしている大学はありますので、興味がある人はまずリサーチなどできることから始めてみて、働きながらのオンライン大学院留学をプロトタイピング的に検討してみてもいいのではないかと思います。

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